子宮頸がん予防ワクチンについて
子宮頸がん予防ワクチンは、平成25年4月に予防接種法に基づく定期予防接種となりました。しかし、全国でワクチン接種後に体の痛みなどを訴える事例が相次いだため、平成25年6月に厚生労働省からの通知があり、副反応の発生頻度などがより明らかとなるまでの間、接種の積極的勧奨を一時差し控えることにしてきました。
今般、子宮頸がん予防ワクチンの安全性について、特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められたため、厚生労働省からの通知を受け、令和4年4月より積極的勧奨が再開となりました。
〇厚生労働省ホームページでも、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)に関する情報がご覧いただけます。
厚生労働省ホームページはこちら
1.対象者
小学6年生から高校1年生に相当する年齢に該当する市民(女性)
※中学1年生に相当する年齢が標準的接種年齢です
2.接種費用
無料(対象年齢、回数等の範囲内)
3.ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症の症状について
ヒトパピローマウイルスは皮膚や粘膜に感染するウイルスで、100以上の種類に分類されています。これらのうち主に粘膜に感染する種類は、性行為を介して生じる表皮の微少なキズから、生殖器粘膜に侵入して感染するウイルスであり、海外においては性活動を行う女性の50%以上が、生涯で一度は感染すると推定されています。
粘膜に感染するHPVの少なくとも15種類は子宮頸がんから検出され、「高リスク型HPV」と呼ばれています。高リスク型HPVの中でも16型、18型とよばれる2種類は特に頻度が高く、海外の子宮頸がん発生の約70%に関わっていると推定されます。また、子宮頸がん以外にも、海外において少なくとも90%の肛門がん、40%の膣がん・外陰部がん・陰茎がんに関わっていると推定されています。その他、高リスク型に属さない種類のものは、生殖器にできる良性のイボである尖圭コンジローマの原因になることが分かっています。
4.予防接種の効果と副反応
ワクチンの中には、いくつかの種類のヒトパピローマウイルス(HPV)のウイルス成分が含まれており、予防接種を受けることによって、これらに対する免疫を獲得することができます。体内に免疫ができると、HPVにかかることを防ぐことができます。
ただし、予防接種により、軽い副反応がみられることがあります。また、極めて稀ですが、重い副反応がおこることがあります。予防接種後にみられる反応としては、下記のとおりです。
ヒトパピローマウイルスワクチンの主な副反応
主な副反応は、発熱や、局所反応(疼痛、発赤、腫脹)です。また、ワクチン接種後に注射による痛みや心因性の反応等による失神があらわれることがあります。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は体重を預けることのできる背もたれのあるソファーに座るなどして様子を見るようにしてください。
稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様症状(ショック症状、じんましん、呼吸困難など)、ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病(紫斑、鼻出血、口腔粘膜の出血等)、急性散在性脳脊髄症(ADEM)等が報告されています。
5.接種回数と接種間隔
※いずれのワクチンも子宮頸がんの予防効果があります。医療機関で相談し、接種できるワクチンを接種してください。
※原則、完了まで同じ種類のワクチンで接種してください。
※シルガード9(9価)の接種について、接種開始が小学6年生~14歳であっても、2回目の接種が初回接種から5か月未満であれば、3回目の接種が必要になります。
6.接種方法
個別接種です。(要予約)
城陽市、宇治市、久御山町内の予防接種協力医療機関または京都府内の予防接種協力医療機関で受けてください。
①城陽市、宇治市、久御山町内の予防接種協力医療機関で受ける場合 ⇒ 直接医療機関に要予約
②上記①以外の医療機関で受ける場合 ⇒ 事前に保健センターへ問い合わせ必要
7.キャッチアップ接種について
積極的勧奨の差し控えにより、接種機会を逃してしまった方に対して、公平な接種機会を確保する観点から公費で接種できる機会が設けられました。
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